彩龍戦記とは
『彩龍戦記』は、人の中にある「色」を取り戻す物語です。
ここでいう「色」とは、
夢、怒り、優しさ、好きだと思う気持ち、
言いそびれた本音、諦めきれない願い、
その人だけが持っている熱のこと。
舞台は、春陽大学とその周辺の街。
一見すると、街は穏やかです。
大きな争いもなく、誰も声を荒げず、みんながそれなりに毎日を過ごしている。
けれど、主人公の青羽香麟は気づきます。
笑っているのに、何かが薄い。
怒るべき場面で、誰も怒らない。
好きだったものを、あまりにも簡単に手放していく。
夢も、こだわりも、悔しさも、少しずつ輪郭を失っている。
それは、ただ大人になったからではありません。
人の感情や願いを奪う存在、
透虚が、街に現れはじめていたのです。
物語のはじまり
春陽大学文学部に通う大学4年生、青羽香麟。
彼女はある日、人の胸元に小さな光を見るようになります。
それは、誰かがまだ捨てきれずにいる願い。
言葉にできなかった本音。
本当は好きだったものの残り香。
消えかけても、まだそこに残っている「その人らしさ」でした。
一方、大学院で都市デザインを学ぶ石黒蓮夜は、街の中に広がる異変をひとりで記録していました。
駅前。
商店街。
高架下。
花屋。
大学の中庭。
人の気配が残らなくなる場所。
誰かの熱が、静かに沈んでいく場所。
そこに現れる、黒い影。
香麟は、人の中に残る光を見る。
蓮夜は、街に沈んでいく異変を記録する。
見る者と、記録する者。
青と黒が出会ったとき、物語は少しずつ動き出します。
この物語のテーマ
『彩龍戦記』が描くのは、派手な戦いだけではありません。
むしろ最初に描かれるのは、日常の中にある小さな違和感です。
好きだったものを、好きと言えなくなること。
本当は悔しいのに、平気なふりをすること。
傷つくくらいなら、最初から期待しないこと。
夢を見る前に、自分で自分の熱を消してしまうこと。
そうやって、人の「色」は少しずつ薄くなっていきます。
でも、完全に消えたわけではありません。
胸の奥に、まだ残っている光がある。
誰にも見えなくても、まだ消えていない願いがある。
もう一度、取り戻せる色がある。
だからこの物語は、こう問いかけます。
お前たちの、色を取り戻せ。
主人公:青羽香麟
青羽香麟は、春陽大学文学部4年生。
文化人類学を学びながら、塾講師のアルバイトをしています。
静かで、丁寧で、少し考えすぎるところがある人です。
誰かが言いそびれた言葉や、笑って流された違和感を、見過ごすことができません。
香麟には、人の胸元に残る小さな光が見えます。
それは、その人の中にまだ残っている感情や願い。
夢、怒り、優しさ、好きだったもの。
消えかけても、まだ完全には失われていない色。
香麟の力は、敵を打ち倒すためのものではありません。
消えかけたものを、そっと留める力です。
彼女はまだ、自分が何者なのかを知りません。
けれど、見えてしまったものから目を逸らすこともできません。
相棒:石黒蓮夜
石黒蓮夜は、春陽大学の大学院で都市デザインを学ぶ大学院生です。
無口で、落ち着いていて、少し気だるげ。
けれど、人や街の小さな異変に誰よりも早く気づく人物です。
蓮夜は、街の中で起きている異変を黒い手帳に記録しています。
人の熱が消えた場所。
声が沈んだ場所。
何かが奪われたあとだけが残る場所。
彼の力は、黒い重圧のような力。
異形を押し潰し、影を閉じ込め、広がるものを一点へ圧縮する。
けれど蓮夜は知っています。
倒せることと、守れることは違う。
記録できることと、救えることも違う。
だから彼には、香麟が必要になります。
敵:透虚
透虚は、人の身体を奪う存在ではありません。
奪うのは、もっと見えにくいものです。
怒り。
夢。
好きだと思う気持ち。
悔しさ。
優しさ。
まだ諦めたくないという熱。
それらを少しずつ抜き取られた人は、穏やかに見えるかもしれません。
反抗しなくなり、怒らなくなり、夢を語らなくなる。
周囲から見れば、落ち着いたように見えることさえあります。
けれど、それは本当に成熟なのでしょうか。
それとも、ただ色を失っているだけなのでしょうか。
透虚は、そんな問いを連れて現れます。
どこから読めばいい?
まずは、第1話から読むのがおすすめです。
第1話では、まだ大きな戦いは起きません。
描かれるのは、青羽香麟が日常の中で感じる小さな違和感です。
街の空気が薄い。
人の反応が薄い。
怒りも、喜びも、こだわりも、どこか薄くなっている。
その違和感から、物語は始まります。
派手なバトルよりも先に、
「人の色が失われていく世界」を感じていただけたら嬉しいです。
こんな方におすすめです
『彩龍戦記』は、こんな物語が好きな方に向いています。
・現代を舞台にした都市幻想が好き
・キャラクターの内面が変化していく物語が好き
・感情、夢、怒り、優しさのようなテーマに惹かれる
・日常の中に少しずつ異変が入り込む展開が好き
・バトルだけでなく、言葉や心の揺れを大切にした物語が好き
・「自分らしさを取り戻す」物語が好き
関連リンク
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最後に
『彩龍戦記』は、
誰かの中に残っている小さな光を見つける物語です。
それは、とても弱く見えるかもしれません。
すぐに消えてしまいそうに見えるかもしれません。
けれど、まだ消えていないなら。
まだ胸の奥に残っているなら。
きっと、取り戻せる色がある。
お前たちの、色を取り戻せ。
ここから、彩龍戦記の世界をお楽しみください。